生活者の意識・実態に関する調査を行うトレンド総研(東京都渋谷区、URL:http://www.trendsoken.com/)では、最近、目にする機会が増えた注目のキーワード、「カスタマージャーニー」について調べました。


顧客満足度UPに期待、話題のカスタマージャーニーとは? 注目の理由を経営コンサルタント・竹内 幸次氏が解説 世界最高のサービス評価、注目企業ANAをピックアップ


最近、「カスタマージャーニー」というキーワードを目にする機会が増えました。2013年の後半頃から徐々に注目され始めた、このマーケティング用語は、「商品やサービス、ブランドなどの顧客との接点を分析する一つの手法」を指します。インターネット上での検索ボリュームの大きさを調べることができる「Googleトレンド」でも、昨年2014年に「カスタマージャーニー」というワードが検索される機会が急速に増えたことが分かります。そこで、生活者の意識・実態に関する調査を行うトレンド総研では、今回、この「カスタマージャーニー」について調べました。




はじめに、「カスタマージャーニー」の意味や今注目を集めている理由について、経営コンサルタントの竹内 幸次氏にお話をうかがいました。また、「カスタマージャーニー」というワードを「見たり、聞いたりしたことがある」という会社員500名を対象に行った、アンケート調査の結果を報告します。最後に、「カスタマージャーニー」という手法が、実際にどのように企業で活かされているのかを探るために、全日本空輸(ANA)のCS&プロダクト・サービス室の長尾 若氏への取材を実施。航空業界における調査・格付けを行う英国・SKYTRAX社により、サービス品質において最高評価である「5スター」が認定されたことが報じられたANAですが、そのサービスの品質維持・向上のために、「カスタマージャーニー」の考え方をどのように取り入れているのかをたずねました。






■ 経営コンサルタント・竹内氏に聞く… 「カスタマージャーニー」の意味とは!? 




はじめに、数多くの企業へのコンサルティングの実績を持つ、経営コンサルタントの竹内 幸次氏に、「カスタマージャーニー」についてご説明いただきました。




◆ 購買者の気ままな旅!? 話題の「カスタマージャーニー」と「カスタマーエクスペリエンス」


Q. 「カスタマージャーニー」の意味を教えて下さい。




顧客は、商品を購入するだけではありません。その商品のことを認知し、購入方法を検討し、その上ではじめて購入に至ります。購入後も利用方法を選択し、実際の利用を通じた上で次の購入を検討します。いわゆる「“カスタマーエクスペリエンス”=“顧客経験価値”」という考え方ですが、こうした一連の購買プロセスを経験することこそが、商品の価値だと言えるでしょう。


そして、商品やサービス、ブランドを通じて顧客が経験する一連のプロセスを「“旅”=“ジャーニー”」に例えたのが、「カスタマージャーニー」という考え方です。購買プロセスにおける顧客の行動に加え、その間の心理的変化なども含めて分析することがポイントになります。この「カスタマーエクスペリエンス」を分析するマーケティング手法こそが、「カスタマージャーニー」です。


また、「カスタマージャーニー」が話題となる中で、「カスタマージャーニーマップ」というツールがよく取りあげられます。「カスタマージャーニーマップ」とは、商品の購入者の行動プロセスに対して、その間の顧客の思考や感情をまとめて可視化したものです。「カスタマーエクスペリエンス」の向上のために、その現状が一目で分かるようにまとめたこのツールは、顧客満足度を向上させるためにも、新規の顧客獲得策の策定にも用いられます。


このように、「カスタマージャーニー」は、顧客を知る上でとても重要な分析手法なのですが、実際に分析を行う際は顧客の多様性に注意しなければなりません。当たり前のことですが、顧客の思考や感情の抱き方は一人ひとり異なります。そのため、顧客をいくつかのパターンに分けて分析していくのですが、一般的な「カスタマージャーニー」の方法です。しかし、顧客も、市場も、常に変化しています。外部要因の影響にも配慮し、顧客の多様性を柔軟に紐解いていくことが重要です。


“ジャーニー(journey)”という英単語は、“旅”の中でも、「比較的長期間の、目的や計画に縛られない気ままな旅」というニュアンスを含みます。トリップ(trip)でも、トラベル(travel)でもありません。顧客の気ままな行動を柔軟に捉えて分析を行うことで、本質的な「カスタマージャーニー」の理解が可能になります。




◆ ビッグデータ活用で加速する「カスタマージャーニー」、スマホ、IoTと連携した今後の展望にも注目


Q. なぜ、今「カスタマージャーニー」が注目されているのかを教えて下さい。




世界恐慌をきっかけにAIDMA理論が注目されるようになったように、2008年9月のリーマンショック以降、効率的なマーケティング手法を求める傾向にありました。「カスタマージャーニー」への注目の高まりも、こうした流れの中の1事象だと言えるでしょう。


また、ビッグデータを分析したり、活用したりする技術が向上しているのもポイントだと言えるかもしれません。競合企業の取り組みはもちろん、その日の天気など、顧客の行動や心理状態は様々なことに影響されます。また、顧客の選択肢が増えていることも、より事象を複雑にしています。そんな中で多様な顧客を理解するためには、顧客の購入行動を分析するだけでは足りません。それに外部要因に関する情報を加えることが重要です。ビッグデータの技術により、その莫大なデータ量を扱うことが求められます。こうした環境が整ってきたことが、「カスタマージャーニー」への興味の高まりをあと押ししています。


そして、スマートフォンの存在も大きいです。パーソナルなデバイスであるスマートフォンを通じて得られる情報は、その顧客の個性をより強く映し出します。そのため、「カスタマージャーニー」のことを考えるのであれば、非常に重要な情報となります。“IoT”というワードが示すように、今後、インターネットを介して様々な情報が流通していくことが予想されます。クロスデバイスで収集した情報で、多様な顧客を的確にとらえることで、「カスタマージャーニー」の重要性はますます増していくでしょう。




◆竹内 幸次(たけうち こうじ)


-経営コンサルタント-




株式会社スプラム 代表取締役。


経営コンサルタント。中小企業診断士、経営士、イベント業務管理士1級、1級販売士などの資格を持つ。


1962年生まれ。大手企業広報部勤務を経て、32歳で中小企業診断士として独立。


以後、全国の起業家、中小企業へのコンサルティングの実績は、1,900社以上にのぼる。


また、起業家・経営者へのWeb活用、創業経営革新、商業活性化コンサル講演や、


SEO講演セミナーの講師実績は、全国で1,600回以上。


その分かりやすい講義と受講生との人間味あふれる触れ合いには定評があり、高い受講者満足度を誇る。




株式会社スプラム HP 

http://www.spram.co.jp/



中小企業診断士 竹内幸次 経営ブログ 

http://blog.goo.ne.jp/2300062







■ 会社員500名に「カスタマージャーニー」に関する調査を実施




経営コンサルタント・竹内氏には、「カスタマージャーニー」の意味や現状についてお話をうかがいました。それでは、この「カスタマージャーニー」に対して、実際に企業で働いている人たちはどのように考えているのでしょうか。それを明らかにするために、アンケート調査「カスタマージャーニーに関する意識・実態調査」を実施。「カスタマージャーニー」というワードを聞いたことがあるという会社員500名を対象に、カスタマージャーニーへの理解や意識について聞きました。




[調査概要]


調査名:カスタマージャーニーに関する意識・実態調査


調査対象:25歳~59歳の会社員500名(※「カスタマージャーニー」というワードを聞いたことがある人)


調査期間:2015年3月18日(水)~2015年3月23日(月)


調査方法:インターネット調査


調査実施機関:楽天リサーチ株式会社




◆ 拡がる認知も理解までには及ばず… 「カスタマージャーニー」の実態とは!?




はじめに、「カスタマージャーニー」に関する理解度について調べました。その結果、「カスタマージャーニーの意味を理解している」という人は、「この言葉を聞いたことがある」という人の中でも45%。半数に届きません。検索ボリュームも大きく拡大し、メディアでの掲載も増えている「カスタマージャーニー」ですが、まだまだ十分な理解を得ているとは言えないようです。考え方として複雑な一面もあるので、分かりやすい説明が求められているのでしょう。


そこで、「カスタマージャーニーの理解者」に、「カスタマージャーニーに関する情報を、どこで見ましたか?」と複数回答形式でたずねました。すると、最も多かった回答は「Webニュース」(41%)で、以下、「雑誌」(34%)、「新聞」(28%)、「テレビ」(27%)と続きます。幅広いメディアで取りあげられていることが、改めて明らかになりました。また、この質問には、「取引先の人との話」(13%)、「同僚との話」(13%)、「上司との話」(12%)といった回答も見られました。いずれも1割を超える回答率で、メディアだけではなく、職場での会話の中にも、「カスタマージャーニー」というワードは登場するようになっていることが分かります。「そんなの知らなかった…。」なんてことがないように、きちんと正しく理解しておくことが必要でしょう。




◆ 幅広いシーンでの活躍が期待される「カスタマージャーニー」、約7割が「顧客満足度の向上」に期待




それでは、この「カスタマージャーニー」の考え方は、どのような目的で活用されているのでしょうか。「カスタマージャーニー」の理解者に、複数回答形式で「『カスタマージャーニー』の考え方は、企業のどんなシーンで役立つと思いますか?」と聞きました。この質問では、69%と、約7割の人が回答した「顧客満足度の向上」が最多。次いで、57%が選んだ「自社サービスの課題発見」と「サービス改善のヒントの発見」という回答が、同率で2位になりました。 顧客へのアプローチだけに限らず、売上アップやサービス強化というように、「カスタマージャーニー」が企業活動の幅広いシーンで活躍することが期待されているようです。


また、前問で「『カスタマージャーニー』が活躍するシーン」として最も多くの人が選んだ「顧客満足度の向上」について、深掘りしてみました。「顧客満足度の向上のために、あなたの企業に求められているもの」をたずねたところ、「サービスの質の向上」(71%)、「顧客対応の質の向上」(65%)、「顧客への情報発信」(47%)といった回答が多くあげられました。また、「顧客満足度の向上のために、企業が意識するべきだと思うこと」も複数回答形式で聞くと、「顧客ニーズの把握」(76%)という回答が最多。以下、「顧客情報の管理・分析」(57%)、「個人の価値観の多様化」(54%)と続きます。これらは、まさに、「カスタマージャーニー」による分析が求められるポイントです。こうした結果からも、「顧客満足度の向上」において、「カスタマージャーニー」に期待されるところは大きいでしょう。






■ 英国・SKYTRAX社の最高評価「5スター」を獲得したANAに取材を実施




「カスタマージャーニー」の考え方を活かして顧客満足度を高めている先進的な企業として、全日本空輸(ANA)に取材を依頼しました。先日2015年3月20日(金)の同社の発表によると、航空業界における調査・格付けを行う英国・SKYTRAX社の「エアライン・スター・ランキング」において、ANAは最高評価となる「5スター」を獲得しました。2013年より3年連続での「5スター」の受賞になります。


今回は、サービス品質において国際的に高い評価を受けるANAの長尾 若氏に「カスタマージャーニー」についてお話をうかがいました。ANAにとって、サービス品質や顧客満足度の向上のために、「カスタマージャーニー」の考え方をどのように活かしているのか、ご説明いただきました。




[SKYTRAX社の「エアライン・スター・ランキング」とは]




SKYTRAX社の「エアライン・スター・ランキング」は、空港から機内サービスまで800以上のカテゴリーにおいて評価する航空会社の格付けランキングです。そして、お客様が“5つ星レベル”のサービスを体感できる航空会社にのみ認定されるのが、最高評価の「5スター」になります。本ランキングでは、全世界の航空会社200社以上を調査対象としていますが、2015年3月時点で「5スター」を獲得している航空会社は、僅か7社のみ。日本国内では、ANAのみが受賞しています。




◆ お客様志向の徹底がポイント、「カスタマージャーニー」におけるANAの2つの視点を紹介


Q. ANAにとっての「カスタマージャーニー」についての考え方をお聞かせ下さい。




サービス品質の向上については、ANAグループ全体で常にお客様志向を徹底しています。その中で、「カスタマージャーニー」の考え方も、もちろん重要視しています。具体的には、大きく2つの視点でサービス品質の向上に活かしています。


1点目に意識しているのは、サービスを通じた全ての過程においてクオリティを追求するということです。「カスタマージャーニー」の考え方の通り、私たちがお客様にご提供するサービスは、飛行機に搭乗している間の時間だけではありません。搭乗前の時間「プリトラベル」や、飛行機が到着した後の「ポストトラベル」の時間も、お客様にとって大切な時間です。航空券の予約をする時には、もう既に私たちのサービスのご提供は始まっています。その上で、「サービスにご満足いただけるかは、掛け算で決まる」と考えています。サービスをご利用いただく一連の過程において、1つでも0点のものがあれば、全てのサービスの評価が0点になってしまいます。全ての細部にこだわり、課題や問題点がないか、徹底的に調べるようにしています。


2点目には、「カスタマージャーニー」の考え方として、搭乗されるお客様の一人ひとりにストーリーがあるということを意識しています。楽しい旅もあれば、悲しい旅もあります。それぞれのシチュエーションに合わせられなければ、本当に良いサービスをご提供することはできません。現場のスタッフ一人ひとりが、お客様に合わせたサービスをご提供するように心掛けています。客室乗務員の例で言えば、そのお客様の様子を拝見しながら最適なサービスをご提供することを心掛けています。例えば、お誕生日のお客様や、ハネムーン旅行に出かけるお客様には、サプライズでデザートプレートをご用意することもあります。一方で、転勤で新たな赴任地に向かうお客様など、不安な旅をされるお客様もいます。そんな時は、ほんの少しでも不安な気持ちを軽くできるように、そっとお声掛けをするように心掛けています。




◆ 期待にこたえ続けるために… 進化し続けるサービスが3年連続「5スター」の秘訣


Q. 「カスタマージャーニー」も含めて、サービスクオリティの向上において、ANAが大切にしていることをお教え下さい。




サービスクオリティを考える時に、ANAでは、お客様の期待に応えること、さらに、その期待を超えることを常に意識しています。今年2015年、SKYTRAX社の「エアライン・スター・ランキング」において「5スター」を獲得することができましたが、3年連続で受賞させて頂いている中で、年々ハードルが上がっているように感じています。それは、現在のサービスを超えるクオリティを常に追求し続けなければならないからです。


これはお客様の声も同様です。「カスタマージャーニー」にも通じる考え方ですが、1度ご満足いただいたお客様に、もう1度ご利用いただき、その際も改めてご満足していただかなければなりません。そのためには、愚直に、こつこつとサービスクオリティの向上を積み重ねていくことが必要です。


実際に、2014年の「5スター」の獲得した後も、ANAでは、様々なサービスの改善を重ねてきました。


例えば、機内食をプロデュースするコノシュアーズに、新たに4名のシェフ・料理人の方をメンバーに迎え、機内食のメニュー開発をさらに進化させています。また、機内食については、その他にも、海外8都市16路線で著名ホテルとコラボレーションし、海外発日本行の機内食のクオリティアップを図ったり、海外のお客様にも人気の高い「一風堂」ラーメンの機内食導入路線を増やしたりと、様々な取り組みを行ってまいりました。


こうした取り組みは、もちろん、機内食についてばかりではありません。機内のエンターテイメントでは、番組数を約250から約350に増やしました。また、海外からのお客様のニーズにお応えするべく、多言語化や海外コンテンツの導入にも力を入れてきました。今後も、機内エンターテイメントの更なる充実に向けて、ラインナップ強化を進めています。また、羽田空港国際線ターミナル、成田空港第1ターミナルのラウンジを拡大し、羽田空港国際線ターミナルの「ANA SUITE LOUNGE」内には、深夜時間帯のお客様向けて、ANA初のラウンジ内本格レストランサービスを開始しました。


そして、こうしたサービスクオリティの強化施策は、これらのプロダクトにおける取組みばかりではなく、人的サービスの面にも及びます。社内の教育制度を見直したり、外部の教育機関・サービスと連携したりと、いっそう力を入れて取り組んでまいりました。その結果、この1年間は、海外からのお客様を中心に高い評価のお声をいただきました。SKYTRAX社の「エアライン・スター・ランキング」は、海外では非常に注目度の高い賞です。今回の受賞には、海外のお客様からのご評価も後押しとなったように感じています。


こうしたサービス改善の取り組みを推し進めるために、ANAでは、毎年「エクセレントサービスアワード」を実施しています。現場のスタッフの、お客様へのお気遣いやサービスへの取組みを表彰するのが本企画です。こうした現場での気付きを大切にしながら、お客様一人ひとりに向き合うことで、これからもサービスクオリティの向上を進めていきたいと考えています。








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